顧景舟 作 茶壺
顧景舟 作 茶壺
本作品は顧景舟による茶壺です。
1983年に、私は香港現地法人に駐在しておりました。
もともと、美術品（特に陶器）に多少興味がありましたので、信用のできる店ということで、中国政府関連資本で運営されていると言われていた灣仔にある中藝（Chinese Arts & Crafts）という店によくウィンドウ・ショッピングに行っていました。
ある日、一つの茶壺が目に入り、気に入って何度も見ておりましたら、店員が声を掛けてくれて値段を聞いたら、高いと思い、断って店の別の所を見て、帰りがけにもう一度茶壺の所へ行って眺めていましたら、店員が再び近寄って来て、値段を下げてくれました。結局、相当無理して購入することとしたのですが、当時の若かった私とにはとても高い買い物でした。それが、この「顧景舟」の茶壺です。まだ、この時に顧景舟は「中国工藝美術大師」（中国の人間国宝）になっておりませんでした。当時の中国本土は今と違い未だ経済発展の入り口に立った状態でしたので、こういった美術品、陶器等への投資が高まる環境にはありませんでした。香港でも私の現地の部下の月給が1万5千～２万円位だったように記憶しております。
この商品は購入後実際に使用していました。取扱いを誤り、うっかり落としてしまい、蓋が二つに割れ、裏の欠けている所、装飾が欠けている所があります。（後で分ったのですが、この手の茶壺は飾って鑑賞するものだったようです）さらに悪いことにセメダインで繋いであります。専門家に金継ぎをした方が良いのかと聞きましたが、このままで良いとのことでした。
その後、長らく使わずにしまっていたのですが、インターネットで顧先生の茶壺が1500万円で落札されたのを見てビックリしたのですが、そのまま忘れていました。その後２年ほどして、2010年の5月頃、やはりインターネットで、中国の嘉徳のオークションで顧先生の茶顧が1232万元（1元約12.5円で約1億5千4百万円）で落札されたのを見て、逆にソンナニするものなのかと思い、そのままにしておりました。
今回、高く売ることができるものならばと思い売りたいと考えております。
尚、私は東京在住ですので、本当に見て、良ければ買いたいという方にはお見せします。
その際には専門家をご同行下さい。ひやかしはお断りします。
本品は説明しましたように、欠けていますので、この値段にしました。
先生はもう亡くなられてしまって、新しい作品は出てきません。
保証書等はありません。私が注文して作った桐箱に入れてお渡しします。
参考：
顧景舟
男。1915-1996。景洲。
1988年に中国軽工業部から中国で初めて「中国工藝美術大師」を称えられた。
作品：僧帽壷、提壁壷、上新橋壷、漢雲壷、倣古壷、石瓢壷、倣古如意壷、井欄壷など
弟子：高海庚、周桂珍、徐漢棠、李昌鴻、沈遽華、顧紹培など。
今、中国のオークションサイトの淘宝（タオバオ）で顧景舟の作品を見ましたら、
私が以前ネットで見た時よりもさらに値段がハネ上がっているようで、
16億円以上のものが４品出ていました。他にも10億以上のものが何品も出品されています。
相変わらず、中国はすごいですね。
海外の方はご遠慮下さい。
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